三焦経

三焦経とは、東洋医学における三焦という概念と深く関連する経絡だ。三焦とは、特定の臓器を指すのではなく、体内の広い領域、具体的には上焦(横隔膜より上、心・肺)、中焦(横隔膜から臍まで、脾・胃)、下焦(臍より下、肝・腎・大小腸・膀胱)という三つの区画の機能を総括する働きを指す。つまり、三焦経は、これらの三つの焦、特に水液の運行や代謝、そして気の巡り全体を調整する役割を担っていると考えられている。
この経絡は、手の薬指から腕の外側を通り、肩、首、耳の後ろを巡り、眉尻に至るルートを持つ。三焦の機能が滞ると、水分の代謝異常によるむくみや排泄の問題、あるいは気の巡りの悪さによる冷えや熱感、消化不良といった多様な症状が現れることがある。そのため、三焦経を整えることは、全身のバランスを調整し、健康を維持するために重要だとされているのだ。

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