ジフルブレードナート軟膏

ジフルプレドナート軟膏は、炎症やかゆみを抑える作用を持つ「ステロイド外用薬」の一種だ。合成副腎皮質ステロイドという種類の薬剤で、皮膚の様々な炎症性疾患に用いられる。
この薬の主な作用は、抗炎症作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用、そして免疫抑制作用の四つだ。これらによって、炎症を起こしている部位の赤みや腫れ、かゆみを抑え、皮膚の症状を改善する。特に、皮膚の角質層に長く留まる性質があり、患部で持続的に効果を発揮するとされている。
湿疹・皮膚炎、かゆ疹、虫刺され、薬疹・中毒疹、円形脱毛症、ケロイドなど、幅広い皮膚の病気に使われるが、使用には注意が必要だ。細菌、真菌、ウイルスなどによる皮膚感染症がある場合は、症状を悪化させる可能性があるので、原則として使用を避けるべきだ。また、鼓膜に穴が開いている湿疹性外耳道炎や、潰瘍、深い熱傷・凍傷にも使ってはならない。
副作用としては、塗った部位に毛嚢炎(毛穴の炎症)や皮膚の乾燥、刺激感などが出ることがある。長期にわたって広範囲に使用したり、密封療法(ODT)のように皮膚を覆って使うと、皮膚が薄くなったり、毛細血管が拡張したり、ざ瘡(ニキビ)のような発疹が出たりすることもある。特に顔面や目の周りに使う場合は、眼圧が上がったり、緑内障や白内障を引き起こすリスクがあるので、医師の指示を厳守する必要がある。
小児への長期・大量使用や、おむつをしている乳幼児への使用は、発育障害を引き起こす可能性があるので、特に慎重に使うべきだ。妊娠している可能性のある女性も、大量や広範囲の使用は避けるよう指導される。
この薬は、あくまで皮膚の炎症を抑える対症療法であり、症状が改善したら速やかに使用を中止することが推奨されている。自己判断で漫然と使い続けると、副作用のリスクが高まるため、必ず医師や薬剤師の指示に従って使用することが大切だ。

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