臓器

人間の体内には、それぞれが独自の重要な役割を果たす多くの臓器が存在する。これらの臓器が協力し合うことで、生命活動は維持されているのだ。
まず、生命の司令塔とも言える脳がある。脳は思考、感情、記憶、運動の制御など、あらゆる高度な機能をつかさどり、全身の神経系を介して各臓器に指令を送る。
次に、全身に血液を送り出すポンプの役割を担うのが心臓だ。心臓は絶えず拍動を繰り返し、酸素と栄養素を豊富に含んだ血液を動脈を通して全身に供給し、老廃物を含んだ血液を静脈を通して回収する。
呼吸を司るのが左右に一つずつある肺である。肺は、体内に酸素を取り込み、不要な二酸化炭素を排出するというガス交換の役割を果たす。横隔膜の動きによって呼吸が促される。
消化吸収の要となる臓器も複数存在する。口から摂取された食物は、食道を通り、胃へ送られる。胃では胃液によって食物が消化され、ドロドロの粥状になる。その後、小腸へ送られ、ここでほとんどの栄養素が吸収される。小腸の後には大腸が続き、水分が吸収されて便が形成される。
体の化学工場とも呼ばれるのが肝臓だ。肝臓は、栄養素の代謝、有害物質の解毒、胆汁の生成、タンパク質の合成など、500種類以上もの多様な機能をこなす。また、胆嚢は肝臓で作られた胆汁を貯蔵し、消化を助ける役割を持つ。
膵臓は、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンを分泌する内分泌機能と、消化酵素を含む膵液を分泌する外分泌機能を持つ。
血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に排出するのが腎臓の役割だ。左右に一つずつあり、体内の水分量や電解質のバランスを調整する働きも担う。腎臓で作られた尿は膀胱に一時的に貯められ、体外へ排出される。
その他にも、古くなった赤血球を破壊する脾臓や、免疫機能に関わる胸腺、生殖を司る生殖器など、数多くの臓器がそれぞれ固有の機能を持ち、連携を取りながら私たちの体を動かしているのである。これらの臓器が一つでも異常をきたせば、全身のバランスが崩れ、健康に大きな影響を及ぼすことになる。

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